SERVICES地震防災プロジェクト支援
地震防災プロジェクト支援
地震リスクマネジメントのご提案
弊社は、企業の地震対策として、総合的なコンサルティングを行います。貴社が既に耐震診断を受けられている場合はその結果の検討及び補足を行い、最適なリスクマネジメントをご提案します。
地震防災計画の目的
地震防災計画の目的は、「地震災害の発生防止と被害の軽減を図ること」にあります。
- 1. 人命安全(従業員、顧客)1. 人命安全(従業員、顧客)
- 特にサービス業では顧客の安全を極めて重視しています。
- 2.危険物対応(化学品、ガス)
- 危険物を保有している事業所では、危険物の安全措置を確保します。
- 3.施設等の速やかな復旧
- 施設の復旧を速やかに行うために取るべき緊急対応行動や、それを支える事前準備をします。
- 4.一次災害の抑制
- 事前準備に重点を置きます。
- 5.二次災害の防止(化学品の流出、火災、爆発)
- 工場では、多かれ少なかれ化学物質の生産や貯蔵、取扱いを行っています。特に、医薬品工場や化学工場などでは、危険物の漏出事故や火災爆発事故の対策が重要です。
- 6.従業員の家族や地域に対する助勢
- 従業員の家族の安全を考慮します。
危機管理方針
JISQ2001「リスクマネジメント構築のための指針」は、この危機管理システムを組織内に構築するためのシステム規格です。
危機管理方針は危機管理の目標のための枠組みを提供するもので、危機管理の行動指針と基本目的を含みます。
- ①行動指針
- 行動指針とは、組織の経営資源(人、物、財政、情報、技術、信用など)の保全、社会的責任の 分担など危機管理活動に関する指針のことを言います。
- ②基本目的
- 基本目的とは、行動指針に基づく全般的なリスク低減策の到達点のことを言います。 リスク低減策の到達点と結果は定量化することが望ましいが、リスクの種類によっては不可能が あり、その場合には定性的な到達点や結果を記述します。 これは企業の限られた資源の中で必要な対策に優先順位をつけて行う危機管理です。 地震による生産性の低下、操業の停止や短縮、輸出入の停滞などに対して企業活動の継続性を 保証する対策が必要です。
企業が災害の対策を検討する場合には、
- 1.どのような事態が予想され
- 2.それが企業の資源(人、財産)にどのような影響を与え
- 3.企業の能力から考えてどれを優先させるか
危機管理計画策定
危機管理計画の策定は、次の5項目について行います。
- 1.リスク分析(リスク発見、リスク特定およびリスク算定)
- 2.リスク評価
- 3.危機管理目標の設定
- 4.危機管理対策の選択
- 5.危機管理活動計画の策定
危機管理対策とは、事前対策、緊急時対策、復旧対策の総称です。事前対策のおもな目的は、事態の発生防止とリスクの低減です。緊急時対策は、事態の発生直後に実施するものです。その被害の最小化、被害の拡大防止、二次災害の防止、復旧対策の早期立ち上げなどがあります。復旧対策は基本的には緊急時対策後に引き続き実施するもので、その目的は、二次被害防止と通常の組織活動への早期復旧です。
災害シナリオを想定
地震対策を策定する上で考慮している事象は、警戒宣言の発令や突発地震、二次災害としては化学工場などのガスや薬品類の漏洩事故などです。しかし、このような事故が起きた後、災害がどのように展開していくのか、また、それに対してどのように対処するのかは検討されていません。つまり地震による初期事象は考えているが、災害シナリオと対応シナリオがありません。
既存不適格建築物の耐震補強をしなければ、大地震によって建物は大破する恐れがあります。建物の耐震補強が、内部操作、什器備品、装置類の耐震措置に比べコストが高いため、後回しにされていることにより結果的に大きな損害を被ります。
また、たとえ事業所が無事でも、事業所に至る道路や鉄道が寸断されたことにより、物理的に社員が事業所に入ることができないという事態の発生も考えられます。
被害想定
想定地震は、事業所の所在する地区町村と都道府県の地域防災計画の被害想定をもとにします。建物や設備の地震被害を、現地調査や耐震診断に基づき、定量的な評価を行い、地震想定損害額を算定します。
地震が発生したら事業所の人的被害や物的被害はどの程度になるのか、どこが危険な箇所になるのか についてミクロ的に事業所のリスクを判断することが大事です。それが地震対策を策定するときの 大前提になります。被害がどの程度になるのかが分からなければ、事前対策も緊急時対応も計画 できません。
被害想定を行う場合には、どのような事態が予想され、それが企業の資源(人、物、財産、情報)に どのような影響を与えるかという視点が重要となります。 地震時の被害想定には次の項目を考慮します。
- 1.業務に影響のあるリスクをできるだけ想定
- 2.標準的なシナリオと最悪のシナリオ双方を準備
- 3.シナリオは、発生日時、発生場所、営業時間内・外等を想定
- 4.人身被害、利益損害、賠償責任、財物損害、信用失墜を評価
- 5.建物や設備の倒壊、損壊
- 6.交通網の寸断
- 7.電気、水道、ガスの供給停止
- 8.通信の不通および輻輳
- 9.火災、津波、鉄道事故などの二次災害
- 10.ガラス・広告等の落下物
- 網入りガラスに交換、飛散防止フィルムの貼付、ボイラ煙突の転倒防止のため鉄骨で補強
- 11.什器備品、機器等
- 機器は床にボルトで固定、収納は壁面固定、棚、ロッカーなどは固定
- 12.危険物・劇毒物
- ガス系については全て自動遮断、 300gal に対応した対策を実施、 タンクと配管の接続部はフレキシブルジョイントを使用
- 13.従業員の家族や地域に対する助勢
- 300gal に対応した対策を実施、アンカーボルトで固定 、 配管はフレキシブルジョイントを使用
地震対策
建物は、耐震診断を受け、不安のあるものについては適切な補強を行うことにより、地震時の被害を軽減します。また、比較的新しい建物も、使用状況の変化や増改築等によって構造体の安全性に変化をきたしている場合があるため、再確認が必要です。
災害シナリオに基づき、各種の対策を検討します。
- 1.建物の耐震診断及び補強
- 2.被害想定
- 3.被害想定額
- 4.復旧計画
- 5.協力会社や共栄会社の復旧支援体制
緊急点検
被害状況の把握には地震発生の初期段階で人的・物的な被害の概要を把握するものと、復旧のための 詳細調査を伴うものがあります。初期段階でほぼ職場単位の被害状況を把握します。 電気・水道・ガス・電話等のユーティリティ設備は対策本部要員が緊急点検や応急修理を行います。
また、職場の設備については、職員やメンテナンス要員が行います。減員時の緊急点検、応急修理については、建築会社など外部業者の応援の必要性があります。
復旧計画
事業継続のための事前対策
- 1.事業復旧の基本方針
- 2.事業復旧の目標の設定定
- 3.重要な図面類はバックアップを取り、事業所外に保管する
- 4.重要な図面類は更新し、常に新しいものにしておく
- 5.設備業者等が保有している場合には、保管状況を点検する
地震は自然現象です。私たちが心配しなければならないのは、地震による災害です。それを知るためには、自社の施設や業務の弱点を把握する必要があります。地震対策には、費用と人手が掛かります。防災設備の整備、建築物・設備の耐震性の強化、通信システムの整備など、主にハードの対策に多額の資金が必要です。
復旧を地震対策に含める場合は、外部業者の手配、復旧資機材の調達、社員の出社などについて考慮します。大地震で自社の社員や施設の安全を守ると共に、生産や営業などの本業についての復旧計画が地震対策として必要です。
国の中央防災会議は首都圏直下型地震時における企業の役割について、社会的責任を自覚し、震災時の業務機能全般の維持・復旧体制を確立して企業活動の維持を図ることを求めています。しかし、地震災害では復旧資材の入手や人手の確保が難しくなります。そのため、防災と事業継続対策の2つの要素について検討を行うことになります。
総合的な地震対策は、事業所対策ではなく、会社全体で検討する必要があります。
ただし、防災という面だけを捉えてみると、一般的に防災レベルは本社よりも工場の方が高くなります。したがって本社には、全社で統一の取れたガイドラインを出し、事業所間の調整を行い、会社全体として危機管理システムを有効に機能させることが求められています。
復旧対策は、事前に詳細な計画を立てることは不可能です。しかし、重要な点は、「復旧資材や労力が減少した場合にどの業務から復旧させるか」という優先順位づけが必要であることです。
復旧は、自社の社員だけでは出来ません。特にユーティリティの復旧には、設備・建設等の業者の手配及び復旧資機材や労力を被災事業所に輸送する手段の確保も必要です。
また、復旧のためには建築図面や技術図面は不可欠となります。自社で保有していない場合には、施工業者など保有しているところから入手します。図面類が今現在どうなっているのかチェックする必要があります。